動脈硬化とは
動脈硬化とは、本来であればやわらかく柔軟性のある血管が、硬く、もろくなることです。
動脈硬化は主に、加齢、生活習慣の乱れなどによって進行していきます。動脈硬化が進行すると、健康へとさまざまな悪影響を及ぼし、重大な合併症のリスクが高まります。
動脈硬化が進行すると
どうなる?
動脈硬化が進行すると、血栓が詰まりやすくなる、血管が破れやすくなるなどの主に血管に関わる危険性が増大します。動脈硬化は全身の血管で進行するため、心筋梗塞や脳卒中、腎臓疾患、網膜症など、さまざまな臓器での病気の原因となるのです。
現在、日本人の死亡原因の第一位はがんです。ただ動脈硬化が関連することのある心疾患は第二位、脳血管疾患は第四位となっており、その重大性は明らかです。
動脈硬化そのものは、進行しても特に症状はありません。命やQOLを脅かす合併症を防ぐためには、症状のないうちからの動脈硬化の予防、つまり生活習慣病の予防に取り組むことが大切になります。また生活習慣病と診断されてからも、その治療にきちんと向き合うことが、合併症のリスクを抑制することに繋がります。
静脈血栓塞栓症(VTE)の
初期症状をチェック
動脈硬化自体には特に症状は見られませんが、さまざまな病気を合併した時には、その病気の症状が現れます。
脳梗塞、脳出血の症状
脳梗塞の場合、身体の片側の麻痺、呂律が回らない、視野の欠け、めまいなどの症状が見られます。
脳出血の場合には、バットで頭を殴られたような強烈な頭痛に襲われます。
狭心症、心筋梗塞の症状
狭心症の場合、胸の痛みや締め付け感、動悸、息苦しさなどの症状が見られます。
心筋梗塞の場合にも似たような症状が見られますが、胸痛はより激しく、冷や汗や意識の低下なども伴います。
下肢の症状
下肢の血流が低下することで、間欠跛行などの症状が見られます。間欠跛行とは、長く歩くと足が痛むものの、休むと再び歩き出せるという症状です。
上記のような合併症の症状が現れるということは、動脈硬化がかなり進行していると考えられます。
動脈硬化の主な原因は
乱れた生活習慣
動脈硬化の原因は、生活習慣の乱れと加齢です。
特に大きな要因となる生活習慣の乱れについて、動脈硬化への影響をご説明します。
高血圧
高血圧、つまり血管の壁に血流が強い圧力をかける状態が長期化すると、血管が傷つき、ダメージを受けます。ダメージを受けたところには、プラークが溜まるため、血液の通り道が狭くなります。
コレステロール
血管の内側にLDL(悪玉)コレステロールがこびりつき、プラークになります。
太っている方は特に注意が必要です。
運動不足
運動不足は、肥満や高コレステロール血症の原因となることから、動脈硬化を進行させます。
また運動不足は体内の一酸化窒素を減少させることから、血管の弾力が低下し、動脈硬化を引き起こします。
喫煙
体内に一酸化炭素を発生させ、これが赤血球と結びつくことで、酸素不足を招きます。
酸素不足になると心臓はより多くの血液を送り出そうとするため、血圧が上昇し、動脈硬化を進行させます。
動脈硬化の検査方法
動脈硬化の検査には、頸動脈エコー検査、血圧脈波検査などがあります。
頸動脈エコー検査
首にプローブを当て、超音波を用いて頸動脈の形態を観察します。血管の壁の厚さ、血管の狭窄の程度、プラークの有無や大きさなどが分かります。
被ばく、痛みのない、ご負担の少ない検査です。
血圧脈波検査
両上腕、両足首のカフを取り付け、血圧と脈波を測定します。
上腕と足首の血圧を比較することで、動脈の狭窄や閉塞の有無などが分かります。また、動脈硬化の進行の程度も把握できます。
動脈硬化と言われたら?
改善・治療方法
動脈硬化は、以下のような方法で改善を目指します。
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の診断を受けた場合には、その病気に応じた治療も必要です。
塩分・脂質を摂り過ぎない
高血圧やコレステロールは、いずれも動脈硬化を進行させます。
塩分、コレステロールの摂り過ぎを避けた上で、栄養バランスの良い食事を意識しましょう。
糖質・アルコールを
摂り過ぎない
糖質やアルコールは、中性脂肪を増やす原因となります。
ごはん・パン・麺類、スナック菓子の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎは控えましょう。
適度な運動
適度な運動は、肥満や高コレステロール血症の予防となります。
ウォーキング、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動で、動脈硬化の改善を図りましょう。
十分な睡眠をとる、
ストレスを溜めない
睡眠不足やストレスは、自律神経のバランスを乱し、血液中の脂質の上昇を招くホルモンの分泌を促進します。
質・量とも十分な睡眠をとること、ストレスを溜めない・うまく発散することが大切です。
動脈硬化を予防・
改善できる食事
食事の摂り方の工夫
まず、毎日おおよそ決まった時間帯に3食を摂ることが大切です。
また、早食い・大食いは避け、ゆっくりよく噛んで食べるようにしてください。これにより、血糖値の急激な上昇、肥満を防ぐことができます。
食事の内容について
ナトリウムの排泄を促すカリウムを多く含む野菜・果物がおすすめです。カリウムは特に、ほうれん草、にら、枝豆、里芋、ニンニク、バナナ、キウイ、メロン、アボカドなどに豊富に含まれます。
反対に、塩分や糖質は摂り過ぎないようにしましょう。どちらも、摂り過ぎは動脈硬化を進行させます。塩気の多いもの・味の濃いもの、米・パン・麺類、お菓子類など、ついつい食べたくなりますが、摂り過ぎに注意をしてください。