小児喘息

小児喘息とは

小児喘息とは喘息とは、炎症によって気道が狭くなることで、発作性の呼吸困難・咳・痰といった症状が見られる病気です。大人でも起こりますが、特に子どもに起こるものを「小児喘息」と言います。
小児喘息は、2~6歳くらいで発症し、思春期から青年期にかけて軽快するのが一般的な経過となります。軽快せず、成人喘息へと移行するのは約30%となります。

小児喘息の症状をチェック

小児喘息では、主に以下のような症状が見られます。
症状は特に、夜間、早朝に強くなる傾向があります。また、走り回った後などにも現れやすくなります。

小児喘息の症状をチェック
  • 呼吸しづらい、呼吸困難
  • 喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒューという異常な呼吸音)
  • 息を吸う時、肋骨が浮くようになる
  • 泣いている、不機嫌だが原因が分からない
  • 顔色が悪い

小児喘息を発症する原因

小児喘息を発症する原因ダニ・真菌・埃・ペットの毛などのハウスダストがアレルゲンとなり、小児喘息を発症するケースが多くなります。特に食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がある場合は、より発症リスクが高くなります。
その他、運動、タバコなどの煙、天候といった非アレルギー性の原因によって引き起こされることもあります。

小児喘息の検査

小児喘息が疑われる場合には、主に以下のようなことを行います。

問診

症状、症状の現れる状況・時間帯、既往歴(特にアレルギー関連)、家族歴、犬や猫のペットの有無、ご家族の喫煙状況などについてお伺いします。

呼吸機能検査

6歳以上の子どもに実施できる検査です。
ピークフローメーターという装置を用いて、呼吸器の機能、気管支の狭さなどを調べます。

血液検査

アレルギー性の小児喘息が疑われる場合、アレルゲンを特定するための血液検査を行います。

小児喘息の治療と経過

小児喘息の治療と経過薬物療法では、気管支・気道の炎症を抑える薬、気管支を広げて呼吸を楽にする薬などを使用します。
血液検査でアレルゲンが特定できた場合には、そのアレルゲンの摂取・接触を回避するための指導・アドバイスを行います。具体的には、特定の食品を摂らない、自宅のハウスダストを減らす等の対策が挙げられます。

小児喘息の多くは成長と
共になくなります

小児喘息は、2~6歳くらいで発症します。そして思春期から青年期にかけて、そのうちの約70%が自然に軽快します。つまり残りの約30%は軽快せず、成人喘息へと移行することになります。
小児喘息の症状が重いほど、成人喘息へと移行しやすいと言われています。子どものうちにしっかりと治療をすることは、お子さんの成長やQOLの維持を助けることにもつながりますので、「たぶんそのうち治るから」と放置せず、お早目にご相談ください。

小児喘息を悪化させない
ための予防・対策方法

予防・対策としては、ご自宅でのハウスダスト対策が有効です。具体的には、小まめに掃除をする、ベッドシーツ・枕カバー・布団などを小まめに洗う、換気をする、畳やカーペットを避ける、ぬいぐるみ・布製のソファを置かないといった方法が挙げられます。
また、バランスの良い食事・適度な運動・十分な睡眠によって、体力をつけることも大切になります。
ご家族が喫煙している場合には、お子さん、ご自身のためにも、できる限り禁煙をしてください。