足や手、顔などに起こる
「むくみ」とは
むくみは、皮膚や皮膚下に余分な水分が溜まり、膨らんだり、腫れぼったくなったりしている状態です。炎症を伴う腫れとは異なり、赤みやかゆみなどは通常ありません。
むくみは、何らかの原因で水分が静脈・リンパ管に適切に回収されないことで発生します。主に、目のまわりを中心とした顔面、腕、手、脚・足などに見られます。
特にむくみやすいのは「足」
全身の中で特にむくみが出やすいのは、足です。
心臓からもっとも遠く、心臓のポンプ機能が働きにくいこと、重力によって水分が溜まりやすいことがその理由です。ふくらはぎの筋肉は血液を送り出すポンプの役目を持ちますが、一般的には加齢とともに筋力が低下することから、やはり足がむくみやすくなります。
足のむくみ症状を
セルフチェック
足がむくんでいるような気がする時には、簡単なセルフチェックをしてみましょう。
むくんでいるところを、手の指1本で5秒間押し、離します。
へこんだ皮膚が一瞬で戻らない(何秒もへこんだままである)場合には、むくみです。医師による診察でも行うチェック方法ですので、ぜひお試しください。
むくみの症状チェック
このような「むくみ」の
症状ありませんか?
- 手や足のむくみ
- 手足の冷え
- 手足のしびれ
- 疲れやすさ、倦怠感
- 肩こり、首の痛み
- 頭痛
- めまい、立ちくらみ
病気のサインかも?むくみの危険な症状チェック
以下のような症状がある場合には、何らかの病気である可能性を考えます。
- むくみが1日以上続いている
- 足の血管がコブのように浮き出ている
- 疲れやすさ、倦怠感がある
- 短期間での体重増加
- 尿量が少ない、頻度が少ない
- 階段の昇降で息切れする
中には、心不全の症状としてむくみが現れていることもあります。できるだけ早く、当院にご相談ください。
むくみの原因となる病気
むくみの原因となる代表的な病気についてご紹介します。
心不全
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下することで、全身の血液の巡りが悪くなった状態です。背景には、高血圧や狭心症・心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈などさまざまな病気の存在が疑われます。
むくみに加え、動悸や息切れ、倦怠感・疲労感といった症状を伴います。
心筋症
心臓の筋肉の異常によって、心臓のポンプ機能が低下します。不整脈、心不全、あるいは突然死の原因にもなる、危険度の高い病気です。症状としてむくみや胸の圧迫感、労作時の呼吸困難、動悸、めまいなどが挙げられますが、無症状のまま進行するケースも少なくありません。
肺高血圧症
心臓から肺へと血液を送り出す肺動脈の血圧が高くなる病気です。息切れ、足のむくみ、倦怠感、失神、喀血などの症状が挙げられます。また放置していると、命の危険を招く可能性があります。
下肢静脈瘤
脚の表面に近い静脈が、ボコボコと浮き上がる病気です。蜘蛛の巣状、網目状に広がることもあります。下肢には、重くだるい感じ、むくみ、火照り、痛み、こむら返り、かゆみなどのさまざまな症状が見られます。またその見た目から、精神的な苦痛を受ける人が少なくありません。
腎不全
腎臓の機能が低下することで、血液を正しくろ過することができなくなった状態です。老廃物を尿へと排泄できないため、むくみが引き起こされます。それ以外にも、疲労感や食欲不振、不整脈、吐き気、貧血などの症状が見られます。
その他
甲状腺疾患やリンパ浮腫、ネフローゼ症候群、(無理なダイエット等による)栄養失調などが原因となってむくみが生じることもあります。
むくみの原因となる生活習慣
むくみは、病的な原因によって起こるものとは限りません。
以下のような一時的なむくみについてはそれほど心配する必要はありませんが、むくみが慢性化している場合には、やはり病気が疑われます。
少しでも気になる場合には、必ず医療機関を受診するようにしてください。
長時間の立ち仕事や
デスクワーク
長時間の立ち仕事、あるいはデスクワークは、全身の血流が悪化したり、ふくらはぎのポンプ機能がうまく働かないことから、むくみの原因となります。
立ち仕事・デスクワークのいずれの場合も、脚を動かす・休憩をとる・姿勢を変えるなどして、むくみを予防しましょう。
ふくらはぎの筋力低下
加齢、運動不足などによってふくらはぎの筋力が低下すると、下肢の血液を心臓へと戻すポンプ機能も低下します。特に女性は、相対的に男性よりも筋肉量が少ないため、筋力不足によってむくみが出ることも多くなります。
女性の場合はその他、女性ホルモンのバランスが変化する生理・妊娠時にも、むくみが起こりやすくなります。
塩分の過剰摂取
塩分は、水分を抱え込む性質を持ちます。そのため、塩分を摂り過ぎると、余分な水分を適切に尿として排出することが難しくなり、むくみを引き起こします。
味の濃いものの摂り過ぎには注意をしてください。
アルコールの過剰摂取
アルコール成分は、血管内脱水の作用を持ちます。そのため、お酒を飲み過ぎると体内の水分が少なくなり、かつ血液の濃度が高まります。すると体はこの状態を“危険”と捉え、血管内に水分を多く取り組むため、むくみが引き起こされます。
エアコンや体の冷え
近年は、エアコンによる寒さ・暑さ対策が当たり前になっています。快適である一方、エアコンへの依存は発汗・体温調節を担う自律神経のバランスを乱すことがあるため注意が必要です。暑い時にも汗が出にくくなり、むくみが生じるというケースが見られます。
むくみの治療方法・対処方法
病気が原因の場合
中には命を危険にさらす病気もあるため、まずは原因となっている病気の治療を優先する必要があります。ただ、これらの病気の治療によって、むくみが改善・解消することも期待できます。
病気との兼ね合いを考慮しながら、利尿剤を用いた薬物療法、弾性ストッキングの着用、生活習慣の改善・マッサージの指導などを行います。
病気以外が原因の場合
病気以外を原因とする一時的なむくみについては、以下のような方法で改善が期待できます。
また病気を原因とする場合でも、医師と相談した上で、有効となる場合には食事療法・運動療法・圧迫療法として取り入れます。
運動やトレーニング
ウォーキング、軽いジョギング、水泳など、下肢または全身の運動を行いましょう。かかと上げなど室内で行う簡単な筋力トレーニング、仕事の合間にできるストレッチなども有効です。
ふくらはぎの筋肉を鍛えたり、ほぐすことで、下肢から心臓に向かう血流の改善を図ります。
食事
まずむくみの原因となる塩分・お酒の摂り過ぎは控えましょう。
塩分の排出を促進するカリウム、血流を改善するビタミンEなどは、むくみ改善に有効な栄養素と言えます。
医療用弾性ストッキング
特殊な構造によって、下肢から心臓へと向かう血液の流れを改善します。薬局などでも購入可能ですが、当院でも取り扱いがございます。
むくみは何科に行けばいい?
むくみは、皮膚や皮膚下に余分な水分が溜まることで現れる症状です。
そのため、血管やリンパ管を専門的に検査・診断する、循環器内科を受診するのがおすすめです。心筋症や心不全も、循環器内科で専門的に取り扱います。
かかりつけの内科がある場合には、そちらを受診するのも良いかと思います。内科には、各専門的な診療科を紹介するという窓口としての役割もあります。
当院は循環器内科を併設しておりますので、お困りの際にはぜひご相談ください。