失神・意識を失う

失神・意識を失うとは

失神・意識を失うとは失神とは、突然かつ短時間の意識の消失を指します。TVドラマなどでは頻繁に描かれる失神ですが、脳が障害されて起こる症状であり、決して軽視してよいものではありません。
原因としては、自律神経障害や心臓疾患(特に不整脈)が挙げられます。また、脳梗塞の前触れでもある一過性脳虚血発作、てんかん発作などの脳疾患と失神と見誤ってしまうケースもあります。
失神の原因を見極め、適切な治療・対応を行っていく必要があります。

突然意識を失う
「失神」の症状

失神では、突然に意識が失われます。
崩れ落ちて地面に膝をついたり、転倒して怪我をしたり、運転中の失神で事故を起こしたりといったケースが見られます。

失神の前兆の症状

失神の前兆の症状多くの失神では、失神の前に以下のような前兆が認められます。

  • 目の前が真っ暗になる、真っ白になる
  • 人の声や音が聞こえにくい、小さく聞こえる
  • 冷や汗
  • 血の気が引く
  • 吐き気
  • 頭痛、胸痛

前兆に気づいた時には、転倒に備え、場所を移動する・しゃがみ込む・人を呼ぶなどの対応をとることが大切です。

こんな失神は要注意!
危険な失神

危険な失神の代表的なケースとして、不整脈など心臓疾患によって血圧が下がり、失神に至る症例が挙げられます。
また前兆として頭痛、胸痛が認められた場合も、くも膜下出血や心臓病の可能性が高くなります。
どちらも適切な治療を受けなければ、命に関わる事態となります。

意識を失うのは
どのくらいの時間?

失神は、「姿勢を保てない短時間の意識消失発作」と定義されます。
ここで言う「短時間」とは、通常8~10秒、長くて2分です。失神状態が治まれば、意識は元の状態に戻ります。
つまり意識を失い、その後何時間も、あるいは何日も意識が戻らないものは、失神ではありません。

失神の原因と病気

失神の原因には、以下のようなものがあります。

反射性失神

原因としてもっともよく見られるのが、反射性失神です。反射性失神は、主に痛み・疲れ・緊張などの心身のストレスによって引き起こされます。交感神経の過度の緊張を副交感神経が抑制しようとすることで、失神に至ります。
その他、飲食・咳・排便・排尿などに誘発されて起こる反射性失神もあります(状況性失神)。

起立性低血圧

立ち上がってすぐ、あるいは数分以内に起こる失神です。水分の摂取量が不足している時、利尿剤を服用している時などに起こりやすくなります。特に立ち上がって数分してから起こる失神は、本人が移動する時間があるために逆に危険にさらされやすくなります。道路で倒れたり、階段で倒れたりした場合には、大けがに繋がるおそれがあります。

不整脈

反射性失神の次に多いのが、不整脈による失神です。脈が速くなる頻脈、リズムが乱れる期外収縮などもありますが、もっとも失神と関連が深いのが、脈が遅くなる徐脈です。特に心臓を動かすための電気信号を生む洞結節に異常をきたす洞不全症候群、心房から心室への電気的興奮の伝達が障害される第2・第3度房室ブロックが原因として不整脈、そして失神が起こるケースが目立ちます。
その他、ペースメーカーの誤作動によって起こる不整脈、脈が速くなる頻脈によって失神が起こることもあります。

心臓・肺の病気

大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症、肺高血圧症などの心臓・肺の病気が原因となって失神が起こることもあります。大動脈弁狭窄症は、心臓の弁が正しく開かないために、全身へと血液を送りにくくなる病気です。肥大型心筋症(HCM)では、高血圧や弁膜症がないにも関わらず、心筋が肥大します。また肺高血圧症では、心臓から肺へと繋がる肺動脈で高血圧が認められる病気です。このうち特に肥大型心筋症では、約4人に1人に失神が起こると言われています。

失神の診断と治療方法

失神の検査方法

失神をした時の状態、回復までの時間・経過などについて、詳しくお伺いします。目撃した人がいれば、話を聞いてきてくだされば診断に役立てます。
失神であったことが疑われる場合には、心電図検査、24時間ホルター心電図検査、心臓超音波検査などを行います。また必要に応じて、CT検査やMRI検査も行います。
高次医療機関では、失神時の不整脈を確認するための植え込み型ループレコーダーを使用することもあります。

失神の治療方法

休息や睡眠、水分摂取などの状況を確認した上で、生活指導を行います。
ただ、不整脈をはじめとする循環器疾患、肺高血圧症などがある場合には、それぞれの疾患に応じた治療が行われます。

失神・意識を失った場合、
病院に行くべき?

一度でも失神をした場合、あるいは長い時間意識を失った場合には、その後完全に元に戻った場合を含め、必ず医療機関を受診し、検査を受けましょう。
失神の状況によっては、転倒や転落、交通事故などによってご自身が大けがを、あるいは命を落としてしまうこともあるためです。車の運転中などの失神では、まわりの人にけがを負わせてしまう可能性もあります。
心臓疾患など重大な病気の早期発見という意味でも、必ず、受診するようにしてください。