骨折したら
何科に行けばいい?
骨折とは、骨の損傷です。折れる・ヒビが入る・欠ける・へこむといった場合には、どれも大きく骨折に分類されます。
骨折は、骨に強い力が加わった時に発生します。特に骨が弱っている方、ご高齢の方は、若く骨が健康な方と比べると骨折しやすくなります。
骨折は、整形外科が専門とするケガです。痛みや腫れなど骨折が疑われる症状がある場合には、クリニックや病院の整形外科を受診してください。
なお、名前の似ている整骨院、接骨院には、医師はおりません。また医療行為にあたるレントゲン検査なども受けられませんので、ご注意ください。
骨折の症状
痛みと腫れ、動かせない・歩けないといった機能障害が、骨折の代表的な症状です。
それ以外にも、以下のような症状が見られます。
固有症状
- 完全骨折をした場合の異常な骨の動き(ありえない方向に曲がる等)
- 完全骨折をした場合の骨のズレ、短縮、延長
- 骨がぶつかることによる軋轢音
全身症状
- 発熱
- 顔面蒼白
- 呼吸低下
- 冷や汗
局所症状
- 圧痛
- 離れたところの刺激による痛みの発生(介達痛)
骨折の種類
完全骨折・不全骨折
(通常の骨折)
衝突、転倒などによって、骨がぽっきりと折れる「完全骨折」、一部折れたがつながっている「不全骨折」です。不全骨折はいわゆる“ヒビが入った”状態を指します。
疲労骨折
1回の衝撃で折れる完全骨折・不全骨折とは異なり、同じ部位に繰り返し負荷がかかることで発生する骨折です。スポーツ選手によく起こり、スポーツ障害の1つにも数えられます。
痛みや腫れは比較的軽く、骨折していることに気づかないケースが少なくありません。
病的骨折
腫瘍、転移がんなどによって骨の強度が低下し、通常であれば考えられないような弱い力で骨折してしまうことを指します。
脆弱性骨折
加齢、骨粗しょう症などにより、骨がもろくスカスカになっている人に起こる骨折です。この場合も、転びそうになって手をついただけ、あるいは大きな咳をしただけで骨折するということがあります。
仙骨骨折
背骨の一番下にある「仙骨」の骨折です。ご高齢の方、骨粗しょう症の方は、尻もちをついた程度で、この仙骨を骨折してしまうことがあります。
思い当たる原因がない場合も、痛みがなかなか引かないという場合には、お早めにご相談ください。
大腿骨頚部骨折
大腿骨の股関節側の曲がったところ(大腿骨頚部)を骨折してしまった状態です。ご高齢の方、骨粗しょう症の方が転倒した場合に好発します。
圧迫骨折
骨粗鬆症性椎体骨折
骨粗鬆症を原因として、物を持ち上げたり、尻もちをつくなどして起こる、背骨の骨折です。
脊椎後彎症
加齢による椎間板の変性、骨粗鬆症の圧迫骨折を原因として、背骨が異常に曲がってしまう病気です。
骨折の検査・診断方法
診察で腫れ、内出血の確認、触診などを行った上で、以下のような検査を行います。
レントゲン検査
骨の状態、骨折の有無、程度を調べます。
CT検査・MRI検査
骨の状態をより詳しく観察したり、骨以外の周辺組織の損傷の程度を調べたりする場合には、CT検査・MRI検査が有用です。
血液検査
必要に応じて、炎症反応、貧血の状態などを把握するための血液検査を行います。
手術は必要?骨折の治療方法
骨折の治療方法は、骨の種類、骨折の程度、および患者さんの状態によって異なります。一般的に、骨折がきれいな状態で、適切な位置にある場合、手術なしで固定することができる場合があります。しかし、骨が複雑に折れていたり、骨折が移動してしまっている場合、または関節が影響を受けている場合は手術が必要となることがあります。
手術が必要な骨折
- 大腿骨頸部骨折など、原則として手術適応となる骨折
- 周囲の神経、血管を損傷している骨折
- 骨折した部位を元に戻してもすぐにズレる不安定骨折
上記のような骨折では、基本的に手術が必要になります。速やかに高次医療機関へとご紹介します。
手術が必要でない骨折
- 骨がきれいに折れており、適切な位置にある骨折
- そのままの形できれいな癒合が期待できる骨折
上記のような骨折では、手術が不要となることが多くなります。
治療では、必要に応じて整復した上で、数週間、ギプスによって固定します。その後は様子を見ながら、できる限り早く機能を回復させるためのリハビリを開始します。
骨折を早く治す方法
カルシウム・ビタミンK・
ビタミンDの摂取

食生活では、カルシウム、またカルシウムの骨への沈着を促すビタミンK、カルシウムの吸収を促すビタミンDの摂取を意識してください。
それぞれ、豊富に含まれる食品をご紹介します。サプリメントを活用するのも良いでしょう。
カルシウム…牛乳、ヨーグルト、小魚、大豆、大豆製品、海藻類など
ビタミンK…納豆、ブロッコリー、モロヘイヤ、小松菜、ほうれん草、海藻類など
ビタミンD…青魚、卵類、きのこ類など
なおビタミンDは、日光浴によって体内でつくることも可能です。
適度な運動
入院中や外来でのリハビリに加え、ご自宅での運動にも取り組まれることをおすすめします。
適度な運動は、全身の血流を改善し、骨の癒合を促します。
運動の内容・強度は、骨折した部位や経過によって異なります。医師と相談した上で、無理のない範囲で運動を行いましょう。
超音波治療を受ける
骨折に対する超音波治療を整形外科などで受けるという方法です。
微弱な超音波の照射により、骨の癒合が促進されます。被ばく、痛みは一切ありませんので、ご安心ください。
骨折に対する
リハビリテーション
骨折後は、ギプスなどで患部を固定します。適切な癒合のために必要な処置ですが、固定している期間にはどうしても筋力や柔軟性が低下してしまいます。
痛みが落ち着いてから積極的にリハビリを行い、筋力・柔軟性の低下を最小限に抑えること、骨の癒合を促進することが、日常生活やスポーツへの早期復帰を後押しします。
ご高齢の方の場合、骨折をきっかけに寝たきりになってしまうケースも少なくありません。当院では、無理のない範囲での、お一人おひとりにあったリハビリメニューを提案します。どうぞ、安心してご相談ください。
骨折に関するよくある質問
骨折とヒビの見分け方はありますか?
骨にヒビが入った状態も、骨折のうちの1つであり、これを不全骨折と呼びます。もちろん、ポッキリと折れ、骨と骨が離れてしまった状態も骨折であり、こちらを完全骨折と呼びます。
この2つを外見だけで見分けることはできません。レントゲン検査などを行って診断する必要がありますので、まずは当院にご相談ください。
骨折の痛みはいつ治まりますか?
骨折後の痛みは、平均して10~20日、長ければ30日程度、続きます。痛みが強い場合には痛み止めを処方いたします。
骨折の全治までどれくらいかかりますか?
骨折以前の状態まで戻すということを考えると、リハビリ期間を含め、3~6カ月程度を要します。
なお一般的には、手術を行った場合の方が早くからリハビリを開始できるため、日常生活への復帰、スポーツへの復帰までにかかる期間も短くなります。