- 肩腱板断裂とは
- 肩腱板断裂の症状をチェック
- 肩腱板断裂の原因
- 肩腱板断裂と肩関節周囲炎
(四十肩・五十肩)の違い - 肩腱板断裂を放置すると
どうなる? - 肩腱板断裂の検査方法
- 肩腱板断裂の治療方法
- 肩腱板断裂に対する
リハビリテーション - 肩腱板断裂を予防するには
肩腱板断裂とは
肩腱板断裂は、肩関節を安定させる「肩腱板」が断裂した状態を指します。男女別では男性に多く、発症率は40代頃から上昇し始め、60代でもっとも高くなります。主な原因は加齢ですが、外傷を原因とする場合は若い人にも起こり得ます。
断裂した腱板は、自然には元に戻りません。肩を動かした時の痛み、肩の上がりづらさを感じる時には、お早めに当院にご相談ください。
そもそも肩腱板とは?
肩甲骨と上腕骨をつなぎ、肩関節を安定させる役割を担う4つの筋肉(肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋)をまとめて、肩腱板と呼びます。
単に「腱板」と呼ぶこともあります。
肩腱板断裂の症状をチェック
初期には肩を動かした時に痛みを感じますが、進行すると安静時にも痛むようになります。特に、夜間に痛みが強くなるケースが多くなります。
痛みや可動域の減少から、日常生活に支障をきたします。
- 肩を動かした時、安静時の痛み
- 肩の可動域の減少
- 肩や腕に力が入りにくい
- 肩を動かす時のゴリゴリ、ジョリジョリという異音
- 肩や腕の筋力低下
肩腱板断裂の原因
肩腱板断裂は、大きく以下の2つに分けられ、それぞれ原因が異なります。
急性断裂
スポーツ中の衝突、転倒、重い物を持つなどして、肩を強く打つ・ねじることで急激に発症する肩腱板断裂です。
変性断裂
変性断裂は、加齢に伴う腱板の老化、スポーツ・仕事などによる酷使によって、徐々に腱板が擦り減り、断裂に至ります。症状は徐々に現れ、強くなります。
変性断裂の多くは、男性の右肩に起こります。
肩腱板断裂と肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の違い
肩腱板断裂と肩関節周囲炎は、40歳以上の中高年に多い、肩を動かす時に痛みが出やすい、可動域の減少が見られるといった共通点をいくつか持ちます。
症状における違いとしては、肩関節周囲炎に認められる「拘縮」が、腱板断裂にはまったく・ほとんどないという点が挙げられます。反対側の手やまわりの人の手を借りれば腕が上がる肩腱板断裂に対して、拘縮のある肩関節周囲炎の場合はそれができません。
その他、加齢や肩の酷使、外傷などを原因とする肩腱板断裂、主に加齢が原因と考えられる肩関節周囲炎といった違いもありますが、やはり正確に診断するためにはレントゲン検査やMRI検査が必要になります。
肩腱板断裂を放置すると
どうなる?
断裂した腱板は、自然に修復されることはありません。適切な治療を行わないまま放置していると、変形性肩関節症を合併することもあります。
肩腱板断裂の検査方法
肩腱板断裂が疑われる場合には、以下のような検査を行います。
レントゲン検査
レントゲン検査では、主に骨の状態を調べます。
腱板断裂が起こっている場合には、肩峰と上腕骨頭の距離が近くなります。
MRI検査
MRI検査では、腱板、腱板の損傷具合まで詳しく調べることができます。
超音波検査
腱板の断裂の有無、筋肉の厚み、炎症の状態などを調べます。
肩を動かした時の関節、筋肉の動きを観察することも可能です。
肩腱板断裂の治療方法
腱板の損傷の程度、症状、年齢、治療の目的をどこに置くかといったことを考慮し、治療法を選択します。
保存療法
痛みの軽減のため、鎮痛剤や湿布薬を使用します。痛みが強い場合には、ヒアルロン酸やステロイドの注射も有効です。
痛みが落ち着いてからは、ストレッチや筋力トレーニングにより、肩関節の機能回復を図ります。
手術療法
肩腱板を上腕骨頭へと結合させる手術を行います。
近年は、低侵襲の関節鏡手術で対応できるケースが増えています。ただし、断裂が大きい場合などには、通常の手術(直視下手術)が必要になります。
手術が必要になった場合には、速やかに高次医療機関をご紹介します。
肩腱板断裂に対する
リハビリテーション
腱板断裂では、主に以下のようなリハビリテーションを行います。
手術をした場合も、リハビリは不可欠です。
ストレッチ
減少した可動域を回復させるためのストレッチを行います。
筋肉とともに、関節包を伸ばすことが重要になります。
筋力トレーニング
インナーマッスルを中心とした筋力トレーニングを行い、その後アウターマッスルを鍛える筋力トレーニングを行います。
肩腱板断裂を予防するには
肩関節、特に肩甲骨の動きを良くするストレッチを日常的に行うことは、肩腱板断裂の予防に有効です。筋肉に柔軟性を持たせておくことで、肩関節の安定を図りましょう。
また、野球、バレーボール、テニスなどの肩を酷使する運動をする人は、肩回りの筋力トレーニングやストレッチを特に入念に行いましょう。練習後・試合後などにアイシングをするのも大切です。
専門的な知識を持った医師・理学療法士・トレーナーなどに、肩に過剰な負荷をかけないフォームを指導してもらうのも良いでしょう。