- 「スポーツ傷害」とは
- スポーツ障害の代表的なケガと
症状 - スポーツ外傷の代表的なケガと
症状 - スポーツ障害・スポーツ外傷の
原因 - スポーツ傷害の診断・検査方法
- スポーツ障害・スポーツ外傷の
治療方法 - スポーツ傷害に対する
リハビリテーション - スポーツ傷害を予防するには
「スポーツ傷害」とは
「スポーツ傷害」とは、スポーツによるケガの総称です。
大きく、スポーツ障害とスポーツ外傷に分けられます。
スポーツ障害
全身または体の一部の使い過ぎを主な原因として発症します。背景に、筋力・柔軟性の不足、不適切なフォーム、疲労の蓄積などがある場合も少なくありません。
代表的なスポーツ障害としては、ジャンパー膝、ランナー膝、シンスプリント、疲労骨折、野球型、ゴルフ肘、テニス肘などが挙げられます。
スポーツ外傷
主に一度の接触や転倒などによって、突発的に発症するのがスポーツ外傷です。一般的に「ケガをした」という場合には、こちらを指すことが多くなります。
代表的なスポーツ外傷としては、靭帯損傷、肉離れ、捻挫、骨折、打撲などが挙げられます。
スポーツ障害の
代表的なケガと症状
全身または体の一部の使い過ぎによって起こる「スポーツ障害」について、主なものをご紹介します。
ジャンパー膝
バスケットボール、バレーボール、陸上のジャンプ競技をする人によく見られます。
繰り返しのジャンプによって膝の骨と靭帯の連結部で炎症が起こり、痛みが出ます。
ランナー膝
長距離ランナーによく見られます。
繰り返しのランニングにより、膝に少しずつダメージが蓄積し、痛みが出ます。特に、男性に好発します。
シンスプリント
長距離ランナー、サッカー・バスケットボールをする中高生によく見られます。
疲労の蓄積、硬い地面での練習、靴が合っていないなどの理由により、脛の骨の内側に痛みが出ます。
疲労骨折(中足骨・脛骨)
一般的な骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し負荷がかかることで起こる骨折です。
足首から甲に沿って各指に続く「中足骨」、脛の骨である「脛骨」での発症が目立ちます。
中足骨の疲労骨折は陸上・バスケットボール・ラグビー・バレエ・新体操の選手に、脛骨の疲労骨折はサッカー・ハンドボールの選手にしばしば発症します。
初めはほぼ無症状ですが、時間の経過とともに、該当部を動かした時に痛むようになります。
野球肩
野球、テニス、水泳、やり投げをする人によく見られます。
腕を繰り返し大きく動かすことで、肩関節周囲に痛みが出ます。肩の酷使とは言えなくても、不適切なフォームで腕を動かしていることで発症するケースもあります。
ゴルフ肘
ゴルフのスイング、テニスのフォアハンド、野球における投球などの繰り返しを主な原因として発症します。中でも、ゴルフをする中高年の方によく見られます。
手首を曲げる・ひねる時に、肘や前腕の内側に痛みが出ます。
テニス肘
テニス以外にも、ゴルフ、バドミントン、剣道などの選手によく見られます。
手首を動かす時に、肘に痛みが出ます。ラケットでボールを打つ時に、知らず知らずのうちに肘にダメージが蓄積することを原因とします。
スポーツ外傷の
代表的なケガと症状
主に接触や転倒などによって突発的に起こる「スポーツ外傷」について、主だったものをご紹介します。
膝靭帯損傷
膝に大きな負荷がかかることで、前十字靭帯、後十字靭帯、 外側側副靭帯、 内側側副靭帯といった膝の靭帯が傷ついた状態を指します。
膝の痛みや腫れ、可動域の減少、膝の不安定感などの症状が見られ、膝に水が溜まることもあります。
肉離れ
筋肉が伸ばされる一方で収縮することで、筋肉が切れたり裂けたりした状態を指します。
多くは部分的な断裂ですが、完全に断裂することもあります。腫れや痛み、熱感、皮下出血などの症状が見られます。
重度の場合は、自力での歩行は困難です。
捻挫
関節をひねったことで、痛みや腫れが出た状態です。
歩行時や走行時、着地時などに、足首に発症するケースが多くなります。捻挫だと思っていたら骨折していたというケースもあるため、早めに受診されることをおすすめします。
打撲
強い衝撃によって、筋線維や血管が損傷した状態です。
圧迫時の痛み、腫れ、熱感などの症状を伴います。
スポーツ障害・スポーツ外傷の原因
スポーツ障害の原因
スポーツ障害は、全身または身体の一部の酷使を主な原因として発症します。
- 練習や試合における肩、肘、膝、脚・足などの使い過ぎ
- 筋力や柔軟性の不足
- 不適切なフォーム
- 疲労の蓄積
加えて、筋力や柔軟性の不足、不適切なフォーム、疲労の蓄積などがある場合は、より発症のリスクが高くなります。
近年は、フィジカルや休養、睡眠、フォームの重要性が改めて見直されています。
スポーツ外傷の原因
まわりの選手や道具との接触、転倒など、基本的に一度の衝撃によって、突発的に発症します。原因が明確である(分かりやすい)という点も、スポーツ障害との違いと言えます。
- 足首をひねった
- 強く打った
- 身体を動かした時に急に痛みが出た
- 急にうごかせなくなった、歩けなくなった
- 急な痛み、腫れが出た
ここでは「スポーツ外傷」と分類していますが、捻挫や打撲、骨折などは、スポーツ以外の場面でも起こり得るケガです。
スポーツ傷害の
診断・検査方法
問診や触診の上、以下のような検査を行い、診断します。
レントゲン検査
レントゲン検査では、主に骨の状態を観察します。
骨折の診断や除外などが可能です。
CT検査
レントゲン検査では分からない、微細な骨折の診断が可能です。
MRI検査
骨の状態に加え、靭帯や軟骨の損傷・変形などを調べることができます。
超音波検査
靭帯断裂、腱損傷、肉離れなどの軟部組織の損傷の程度や範囲を調べることができます。
筋電図検査
筋肉に電極を刺入し、筋肉の活動電位を測定します。症状の原因が筋肉に異常にあるのか、神経の異常にあるのかを判断することができます。
スポーツ障害・スポーツ外傷の治療方法
スポーツ障害の治療方法
まずは安静の上、可動部に対してはテーピングやギプスによる固定を行います。また必要に応じて、痛み止めなどのお薬を処方します。
テーピング・ギプスが取れてからは、徐々にストレッチや筋力トレーニング、物理療法などによるリハビリを開始します。
計画的にリハビリを行うことで、以前の運動機能に戻す・近づけることが可能です。
保存療法で十分な効果が得られない場合には、手術を検討します。
スポーツ外傷の治療方法
テーピングやギプスによる固定が必要なケースもありますが、その割合はスポーツ障害よりも少なくなります。
薬物療法などで痛みが落ち着いてからは、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリへと移行します。また、これら保存療法ではなく、手術が選択されることもあります。
スポーツ傷害に対する
リハビリテーション
リハビリテーションでは、筋力トレーニングやストレッチなどの運動療法、物理療法などを行います。
医師の指導のもと、理学療法士のサポートを受けながらリハビリに取り組むことで、
以前と同じまたは近い運動機能を取り戻すことが可能です。
日常生活、そしてスポーツへの早期復帰を目指し、患者さんお一人おひとりに合ったリハビリテーションを提供いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
スポーツ傷害を予防するには
スポーツ障害・スポーツ外傷を予防するためには、特に以下の2つのポイントが重要となります。
ケガをしにくい体づくり
筋力や柔軟性のアップ、フォームの見直し、十分な準備運動・クールダウン、小まめな水分・栄養補給などにより、ケガをしにくい身体づくりに努めましょう。生活面でも、バランスの良い食事、十分な休養・睡眠を大切にしてください。
また運動不足の方は、普段から少しずつでも運動をしておき、急に激しい運動をするといったことは避けましょう。
ケガをしにくい環境づくり
自分に合った靴や道具を選ぶこと、へルメットや防具などを適切に使用すること、可能であればマウスピースを装着することなどが重要です。
その他、設備や環境の整ったチームを選ぶ、専門的な知識を持った指導者・トレーナーの指示を仰ぐといったことも、有効な対策と言えます。